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遺言書の作成

2021.6.7 遺言

遺言は、人が生前行うことのできる最終の意思表示を尊重し、これに法律的効果を認めて、その死後に効力を生じさせる制度です。

遺言を残しておけば、自分の死後、その財産を誰に引き継がせるかをあらかじめ決めておくことができます。

しかし、遺言は、被相続人の死亡後に効力を生じることになるので、あいまいな言い回しで作成すると、その真意を確かめることができず、争いの種となってしまいます。

例えば、「現金は、兄弟で仲良く分けること」等とすると、兄弟で均等に分けるという意味なのか、仲良く協議で決めるという意味なのか、その真意がわかりません。争いを回避するためにも、あいまいな記載をせずに明確に記載しておく必要があります。

 

✿遺言の種類

遺言には、死後の紛争を回避するため、一定の方式が必要とされています。遺言の方式には、「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」などがあります。

以下、各方式についてまとめてみました。

 

① 自筆証書遺言(民法968条)

遺言者本人が、「全文」「日付」「氏名」を自書し、押印をする必要があります(民法  条)。

自書が要求されているのは、遺言が自書されていれば、その筆跡により本人が書いたかどうかがわかりますので、その遺言が真意に基づくものかどうか判断することができるためです。

もっとも相続財産について「目録」を添付する場合、その「目録」については、自書する必要はありません。財産が多数ある場合には、すべてを自書することは大変困難ですので、別途財産目録を作成するのがよいでしょう。ただし、この相続財産目録の各頁には、遺言者の「署名」と「押印」が必要となります。

この方式の遺言は、自書できる者であれば誰でも単独で作成することができ、簡便で費用もかからない便利な方法です。

自筆証書遺言書の保管については、特に取り決めはありません。しかし、遺言者が死亡した後にその遺言書の偽造・変造・隠匿・破棄などの危険がありますので、その点に不安を有するのであれば、「法務局における遺言書の保管等に関する法律」に基づく保管制度がありますので、費用はかかりますが、この制度を利用されるのがよいと思います。

なお、この方式による遺言は、相続開始後に検認手続きを受ける必要があります。

 

② 公正証書遺言(民法969条)

公証人に作成してもらう遺言です。

具体的には、証人2名以上の立会の下、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口頭で伝え(口授)、公証人がこれを筆記し、その記載を遺言者及び証人に読み聞かせる又は閲覧させます。そして、遺言者及び証人が、その記載が正確であることを承認した後、これに署名及び押印をします。最後に、公証人が民法所定の方式に従って作ったものである旨を記載し、これに署名及び押印をして作成します。

この方式による場合、適正な内容の遺言を作成することができますし、遺言者の意思も確認できます。

この方式による遺言書は、公証人役場に原本が保管されます。したがって、公正証書遺言の場合には、費用がかかりますが、遺言書が偽造・変造等される危険はありません。

公証人役場の手数料は、遺言の目的となる財産の価額に対応して、その金額が決まっており(公証人手数料令9条)、1000万円~3000万円で23000円、5000万円を超えると43000円以上となっています。具体的な額は、公証人役場にお問い合わせいただければと思います。

 

③ 秘密証書遺言(民法970条)

遺言者が遺言書に署名及び押印をし、これを封入し、押印した印章をもって封印します。遺言者は、この封書を公証人1名及び証人2名以上の前に提出し、自己の遺言書である旨、並びにその筆者の氏名及び住所を申述します。そして、公証人がその証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名及び押印をします。

秘密証書遺言は、遺言者が遺言の内容を誰にも知られたくないようなときに利用する方式です。また、遺言者は、遺言書を自書する必要がありませんので、その全文をパソコンなどで作成し印刷したものでも構いません。

また、秘密証書遺言として必要な方式にかける部分があったとしても、自筆証書遺言の方式を満たしていれば、自筆証書遺言としての効力を有するものとされています(民法971条)。

ただ、この方式は、一般的にあまり利用されていないようです。

なお、公証人役場の手数料は、一律11000円です(手数料令34条1項)。

 

✿新たな遺言書の作成と撤回

遺言は、遺言者の最終意思を尊重するための制度です。また、その効力が生じるのは、死亡後ですから、その生前に遺言を変更撤回することを制限する必要がありません。したがって、遺言者は、いつでも遺言の全部又は一部を撤回することができます。ただし、遺言の撤回は、遺言の方式に従ってなされる必要があります(民法1022条)。もっとも、その方式は、撤回する遺言のものと同じ方式である必要はありません。

また、一度撤回された遺言は、原則として復活することはありません。もし、撤回した遺言の内容を復活させたい場合には、再度同じ内容の遺言を作成する必要があります。

 

では、遺言者が複数の遺言書を作成していた場合は、どうなるのでしょうか。

この場合、各遺言の内容で抵触しない部分については、いずれの遺言も有効なものとされます。しかし、それぞれの遺言の内容が抵触する部分については、作成された日付が最新の遺言が優先されることになります。つまり、その抵触する部分について遺言の撤回がなされたものとみなされることになるのです(民法1023条)。

また、複数の遺言を作成した場合に問題となるケースとしてよくあるのが、遺言者がその意識のしっかりしている時に遺言書を作成していたところ、後日遺言者の相続人となる者からの進言で、その者に有利な内容の遺言書を作成したが、その当時認知能力が低下していた場合などがあります。このケースでは、その内容の抵触する部分につき、新しい遺言が優先されるのではなく、そもそも被相続人が新しい遺言書を有効に作成することができる意思能力があったのかどうかが問題となってきます。

 

遺言がらみの争いは多いものです。将来の紛争を回避するためにも、遺言の内容やその作成方法等、専門家に相談されるのもよいかと思います。

 

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