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2021.6.7 遺産分割協議
相続財産は、相続の開始により、共同相続人の共有となります。この時、遺言がある場合は、その内容に従って相続財産を誰が有するか決まりますが、遺言がない場合には、共有状態のままとなります。遺産分割は、この共有状態にある相続財産について、その帰属を確定させるものです。
✿遺産共有とは
相続財産に収益不動産の所有権が含まれていたとします。相続が開始すると、この収益不動産についてそれぞれの相続分割合をもって、相続人が共有することになります。その収益不動産について、相続人の共有名義とする相続登記は、相続人の一人からすることができますが、その賃料を取り立てる等は、相続人の有する各相続分に応じ、その多数決をもって決める必要があります。さらに、この収益不動産を売却するには、共同相続人全員の同意が必要となります。
現金については、不動産と違い分けることが容易な物なので、それぞれの有する相続分に応じて、その支払いを請求できるかのように思えます。しかし、相続人の一人が代表して相続財産である現金を保管しているとき、他の相続人がその相続分に応じた現金を引き渡すよう請求することはできません(最判平成4年4月10日)。これも遺産分割協議がなされるまでは、手を付けることができません。
特に不動産などがこのような共有状態にあると、管理処分が困難になってしまい、有効な資産として活用することができなくなってしまいますので、遺産分割の協議により、誰がその所有者になるかを決めておくのが良いと思います。
✿遺産分割の方法
遺産の分割は、「遺産に属する者又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、資産の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする」と規定されています(民法906条)。そして、遺産分割の方法には、遺言により分割方法を指定する方法、当事者の協議により分割する方法、家庭裁判所の審判により分割する方法などがあります。ここでは、遺産分割の協議について、お話することにします。
遺産分割の協議は、当事者の全員が参加し協議する必要があります。当事者として参加することができる者を除外して協議した場合、その遺産分割協議は無効となります。
遺産分割は、いつまでにしなければならないといった期限がありません。しかし、遺産分割をせずにいたところ、当事者のうちの一人が亡くなり相続が発生したりすると、その新たな相続に関する相続人も当事者の相続人として協議に参加する必要があります。協議に参加する人数が増えることで遺産分割の協議がまとまりにくくなることが予想されます。遺産分割をせずにいるとさらに複雑な状況になってしまう恐れがありますので、遺産分割は早めにしておくべきだと思います。
✿遺産分割の結果
遺産分割の協議の内容は、当事者の意思によって自由に決めることができますので、法定相続分とは異なる内容にすることもできます。例えば、「不動産については兄が一人で取得し、その不動産に母親とともに暮らすことにし、他方で銀行にある預貯金は弟がすべて取得する」といった内容にすることも可能です。
分割協議が成立すると、その内容に従って、相続開始の時にさかのぼってその権利を取得することになります。
✿遺産分割協議が終わった後
遺産分割協議が有効に成立した後で、遺産となるべき財産が新たに発見された場合は、どうなるのでしょうか。この場合には、遺産分割協議自体を無効とせずにあらたに発見された財産について、再度分割の協議をすることになります。ただ、その発見された遺産が、遺産の中でも非常に価値が高いものや重要なものであった時には、遺産分割協議を無効にして、あらためて分割協議をすべきではないでしょうか。しかし、一般的には、このような場合に備えて「この分割協議以外の遺産については、○○がすべて取得する」といった条項を設けていることが多いです。もし不安があるのであれば、遺産分割協議の内容について一度専門家にご相談されるとよいのではないでしょうか。
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